日韓両政府は29日、外務・防衛当局の局長級による「日韓安全保障対話」を都内で開いた。ロシアと北朝鮮の軍事協力や第2次トランプ米政権の発足など、不安定さを増す東アジア情勢への対応を巡り協議した。
開催は2023年4月以来、およそ1年半ぶり。日本は外務省の鯰博行アジア大洋州局長と防衛省の上田幸司防衛政策局次長、韓国側は外務省の金相勲(キム・サンフン)アジア太平洋局長と国防省の李承範(イ・スンボム)国際政策官が参加した。
日本外務省は会合後に「両国を取り巻く戦略環境について意見交換し、安全保障・防衛政策について互いに理解を深めた」と説明した。
北朝鮮はウクライナを侵略するロシアを支援するため、1万人を超える兵士をロシア西部クルスク州に派遣した。見返りとして最新の兵器や軍事技術をロシアから得る可能性がある。
同盟国を重視するバイデン米政権の下で日米韓の安全保障協力は深まった。25年1月に発足するトランプ政権がどのような同盟政策をとるかなど、日韓は共通した懸念を抱えている。地域情勢が不透明になるなか、2国間協力の重要性は高まる。
中谷元防衛相は12月下旬、石破茂首相は25年1月にそれぞれ訪韓する方向で調整を進めている。直近では世界文化遺産に登録された「佐渡島(さど)の金山」の追悼式に韓国側が参加しなかった問題が起きたものの、安保協力は継続する方針を確認する見込みだ。
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